会員企業様インタビュー
日本特殊陶業株式会社

環境課題の高度化に対応するための“共創の場”
他社事例の活用で、施策の精度とスピードを両立 

全体

写真:左からサステナ統括部 布目様、太田様、細田様、畑村様

日本特殊陶業株式会社

1936年の創立以来、スパークプラグやセラミックス製品を中心に事業を展開。自動車関連製品や半導体関連製品など、幅広い分野でグローバルに事業領域を広げてきました。近年は環境・エネルギー分野への取り組みにも注力し、持続可能な社会の実現に向けた活動を推進しています。
同社ではその一環として、コニカミノルタの「環境デジタルプラットフォーム」(以下「環境DPF」)に参加。環境課題の解決に向けた取り組みを進めています。本記事では、実際に環境DPFを活用しているご担当者様に、参加の背景や活用の実態、現場で感じている効果についてお話を伺いました。


目次
1.意思決定の精度向上と、現実的な判断ができる体制への変化
2.他社との共創により、施策の検討スピードと実行力が向上
3.環境DPFに対するご要望や現在の課題など
4.これから利用を検討される企業様に向けたメッセージ

1.意思決定の精度向上と、現実的な判断ができる体制への変化

ーーー御社の環境・サステナビリティに関する取り組みについて教えていただけますか?

太田様
当初はコンプライアンス遵守や公害対策が中心でした。2000年代初頭から環境への取り組みを進めており、CO₂削減や廃棄物削減といった取り組みへと広がり、現在では気候変動対応をはじめ、環境配慮製品の拡充、水資源の保全、廃棄物管理など、より重要性の高いテーマに取り組んでいます。
現在は、2050年カーボンニュートラルの実現を見据えた「エコビジョン2030」を軸に、グループ全体で環境課題への対応を進めています。グローバルでの事業展開に伴い、環境部門が中心となって、目標設定から施策の立案・展開までを担っています。

布目様

ーーー環境DPFに参加したきっかけをお聞かせください

太田様
コニカミノルタ様とは、愛知県の環境パートナーシップの場を通じて、10年以上にわたり環境分野での交流がありました。その中で、CO₂削減や廃棄物対応などについて具体的なアドバイスをいただく機会も多く、当社の取り組みの検討において参考にしてきた経緯があります。そうした関係性の中で、環境デジタルプラットフォームへの参加をご提案いただいたことがきっかけです。

ーーー環境DPFはどのような点が御社の課題解決に役立ちましたか?

布目様
他社の施策事例を知ることができる点は非常に価値があります。自社だけでは判断が難しいテーマでも、他社がどのように取り組んでいるのかを把握できることで、いわば“検討の近道”になると感じています。
上層部への報告の際にも、他社との比較を踏まえて説明できるため、「他社でも実施している」という一つの“お墨付き”として伝えられるのは大きいですね。客観性のある資料作成につながり、意思決定を後押しする材料としても活用できています。

畑村様
実務の観点では、他社の担当者が直面しているリアルな課題や、その解決方法まで共有される点が魅力です。例えば「なぜその施策を選んだのか」といった背景や試行錯誤のプロセスまで知ることができるため、自社に置き換えて考えやすくなります。公開資料では見えない“生の情報”を得られることで、より実践的な検討につなげられていると感じています。

細田様
環境の取り組みは年々高度化しており、従来の対応に加えて新しい領域への対応が求められています。その中で、新しいテーマに対して他社の取り組みやノウハウを知れることは非常に有益だと感じています。自社だけでは手探りになりがちな分野でも、他社の事例を参考にすることで理解が深まり、取り組みの精度を高めることにつながっています。

太田様
各社それぞれ得意・不得意な領域がある中で、テーマに応じて適切な方から意見をいただけるので、質問に対するレスポンスが非常に早いと感じています。自社だけで検討していると時間がかかる部分でも、すぐに方向性のヒントが得られる点は大きいですね。

特に小規模ディスカッションは、テーマが絞られていて少人数なので、自分たちが抱えている課題をそのまま相談できるのがいいですね。情報を集めるというよりも、課題解決に直結する場として活用できている感覚があります。

ーーー環境DPFで得た気づきは、社内の考え方や取り組み姿勢にどのような影響を与えましたか?

太田様
他社の取り組みを知ることで、自社だけで解決しようとするのではなく、外部の知見を積極的に取り入れながら進めていくという姿勢が強まったと感じます。環境分野は多くの企業が共通の課題を抱えているため、知見を共有しながら解決していくことの重要性を実感しています。プラットフォーム内で開催されるイベントや、他社が企画している取り組みにも積極的に参加することで、より幅広い視点で情報を得られていると感じています。

畑村様
実務の観点でもその変化は大きいと感じています。これまでは自分たちの中で一つのやり方を考えて進めることが多かったのですが、他社の事例を参考にしながら、自社の文化に合った形で施策を設計し、全社展開することで、想定以上の効果を得ることができました。
検討の納得感が高まりますし、上層部への説明もしやすくなっています。結果として、意思決定がしやすくなり、施策をスムーズに進めやすくなっていると感じています。

細田様

2.他社との共創により、施策の検討スピードと実行力が向上

ーーー参加後、社内ではどのような具体的な変化がありましたか?

畑村様
施策の検討スピードが大きく変わったと感じます。これまでは一つの方法しか思いつかず、試行錯誤に時間を要するケースも多かったのですが、他社事例を知ることで複数の選択肢を比較しながら検討できるようになりました。その中で自社に最適な進め方を選べるようになったことで、意思決定のスピードが向上していますね。

実際に、通常であれば2年ほどかけて段階的に展開するような施策が、約1年で全社展開できたケースもあり、スピード面での変化を強く実感しています。複数の事例を踏まえて最初から精度の高い検討ができるようになったことが大きいと感じています。

太田様

工数の削減という面でも効果を感じています。従来は複数人で時間をかけて議論しても結論に至らないこともありましたが、他社の意見や事例を参考にすることで、短時間で解決の糸口が見えるようになります。

ゼロから考え続けるのではなく、既存の知見を起点に議論できるようになったことで、検討プロセスそのものが効率化されたと感じています。結果として、考える時間を減らし、その分実行に時間を使えるようになったことも大きな変化です。

畑村様
また、他社の事例から新しい省エネ機器の存在を知り、実際に導入につなげたケースもあります。現場での運用にもすぐに活かすことができ、省エネ対策として具体的な成果が出ています。

こうした「情報収集にとどまらず、実際の改善につながる」という点は、社内でも大きな変化として実感しています。

ーーー環境DPFを活用して、他社を巻き込みながら課題解決を進めた事例があれば教えてください
細田様
環境配慮製品の認定に関して、どのように客観性を担保するかという点で悩んでいたことがありました。特にLCA(ライフサイクルアセスメント)を活用して定量的に評価しようとした際に、どこまでできるのか、どのように整理すべきかが分からず、社内でもなかなか方向性が定まらない状況でした。

そこで小規模ディスカッションを活用して、同じようなテーマに取り組んでいる他社の方々に参加いただき、実際の取り組みや考え方を共有していただきながら議論を行いました。テーマを絞って少人数で話ができるので、かなり踏み込んだ話ができた印象があります。

太田様


太田様

その中で印象的だったのは、先進的に取り組まれている企業でも「LCAは万能ではない」という話をされていたことです。自分たちだけで考えていると、「もっとできるのではないか」と思い込んでしまう部分もあるのですが、実際の取り組みを聞くことで、現実的にどこまでできるのかというラインが見えてきました。

こうした形で、自社の課題をそのまま持ち込んで他社と議論できる点は、環境DPFの大きな特徴だと思います。一方的に情報を得るのではなく、同じ課題を持つ企業同士で一緒に考えながら解決していくという進め方ができるので、結果として解決までのプロセスが明確になりますし、納得感のある施策につながっていると感じています。

3.環境DPFに対するご要望や現在の課題などあれば教えてください

布目様
テーマとしては、化学物質など一部の領域については、今後さらに活用の幅を広げていける余地があると感じています。自社内でも課題感はあるものの、プラットフォーム上での活用イメージが持てていなかった部分もありました。今後はこうした分野でも情報交換の機会が広がることで、より多角的に活用できるようになると良いと考えています。

畑村様


畑村様

専門家やコンサルティング企業が関与するような場があると、より実践的な議論ができると感じていましたが、実際にそうした取り組みも進められており、環境DPF自体も進化し続けていると感じています。
企業同士の情報交換に加えて、専門的な知見を持つ方から体系的な示唆を得られることで、検討の深度がさらに高まり、具体的な施策への落とし込みがしやすくなっていると感じています。

4.これから利用を検討される企業様に向けたメッセージ

太田様
環境分野は多くの企業が同じ課題に直面している領域です。そのため、自社だけで解決しようとするのではなく、他社と知見を共有しながら進めていくことが非常に重要だと感じています。
実際に他社の取り組みを知ることで、新たな視点や気づきが得られる場面も多く、自社の取り組みの幅を広げるきっかけにもなっています。環境DPFはそうした知見を得られるだけでなく、課題解決の進め方そのものを変える場だと感じています。

畑村様
他社事例を知ることで、検討のスピードや精度が大きく向上します。自社だけで考えているとどうしても選択肢が限られてしまいますが、複数の事例を比較できることで、より適切な判断がしやすくなります。
結果として、自社だけで悩む時間を減らし、より実行に時間を使えるようになる点は大きなメリットだと思います。実務を進める上でも非常に有効な場だと感じています。

細田様
最初は情報を出すことに抵抗があるかもしれませんが、共有することで得られる価値の方が大きいと感じています。環境分野は競争というよりも、全体で底上げしていく側面が強い領域ですので、オープンに議論することが結果的に自社のためにもなると思います。
そうした積み重ねが、自社だけでなく他社の課題解決にもつながり、より良い取り組みが広がっていくのではないかと考えています。

全体

編集後記

環境DPFが単なる情報収集の場ではなく、自社の課題を他社と共有し、巻き込みながら解決していく“共創の場”として機能していることが見えてきました。
特に印象的だったのは、他社の知見を参考にするだけでなく、自社の課題を持ち込み、議論を通じて最適な進め方を導き出している点です。その結果として、意思決定の精度向上や施策のスピード向上だけでなく、実際の成果創出にまでつながっていることがうかがえます。
環境課題が高度化・複雑化する中で、企業単独での対応には限界があります。こうした共創の取り組みは、今後の環境経営においてますます重要な役割を担っていくと感じられます。

お客様プロフィール

1936年に設立。スパークプラグやセラミックス製品を中心に、自動車関連分野および半導体関連分野など幅広い事業を展開。グローバルに拠点を持ち、世界各国で製品を供給しながら、環境・エネルギー分野への取り組みも強化している。

【本社所在地】〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜一丁目1番1号
【代表者】代表取締役社長 鈴木 啓司
【創立】1936年10月26日
【事業内容】
(1)スパークプラグおよび内燃機関用関連品の製造、販売
(2)ニューセラミックおよびその応用商品の製造、販売、その他
【URL】https://www.niterragroup.com/

環境デジタルプラットフォームについて

つながりを力に、環境経営課題に挑む
他社とこれまでの実践から学び、自社の未来を創る

環境経営課題に立ち向かう道のりは、暗い森の中を彷徨い歩くことに似ています。
独りでは困難な道のりですが、他社の知見や経験を道しるべとす
ると、進むべき道が見えてきます。

ここは環境活動に取り組む企業が集い、濃く生々しいリアルな事例や意見が交流できる場。
ここで得られるインサイトこそが、自社の次の一手を見つけるカギとなります。