会員企業様インタビュー
フォスター電機株式会社

他社との情報共有が、環境経営を前に進める力に
実務レベルの知見を共有し、自社の環境施策を加速 

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写真:左からグローバルコーポレートサポート本部 サステナビリティ推進部 佐藤様、樋口様、栗原様

フォスター電機株式会社

スピーカーやヘッドホンなどの音響機器を中心に、車載製品やモバイル機器向け製品などをグローバルに展開するメーカーです。近年はESG経営を推進し、気候変動への対応や資源循環型社会の実現など、さまざまな環境課題への取り組みを進めています。
同社では、その取り組みの一環としてコニカミノルタの「環境デジタルプラットフォーム(以下、環境DPF)」を活用しています。本記事では、環境DPFへの参加の背景や日々の活用方法、他社との情報交換を通じて得られた気づきや効果について、ご担当者の皆様にお話を伺いました。

目次
1.他社との情報共有を通じて、環境経営を前へ進める
2.実務担当者同士の情報交換が、施策の実現を後押し
3.環境DPFに対するご期待や、今後取り上げてほしいテーマがあれば教えてください
4.これから利用を検討される企業様に向けたメッセージ

1.他社との情報共有を通じて、環境経営を前へ進める

ーーー御社の環境・サステナビリティに関する取り組みについて教えていただけますか?

樋口様
当社では2021年にESG経営宣言を制定し、会社全体でESGを軸とした経営に取り組んでいます。環境面では、「気候変動への対応」と「資源循環型社会の実現への貢献」を重点課題と位置付け、中期環境目標に基づき取り組みを進めています。
具体的には、2030年までにCO₂排出量(Scope1&2)50%の削減(対2018年度比)や2050年カーボンニュートラルの実現を掲げ、再生可能エネルギーの導入やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応、SBTi(科学的根拠に基づく目標設定イニシアチブ)認定取得に向けた取り組みなどを推進しています。また、スピーカー部品の抄紙(しょうし)の工程における排水の再利用などの水資源の有効活用も含め、グローバル全体で環境負荷の低減に取り組んでいます。

樋口様

ーーー環境DPFに参加したきっかけをお聞かせください。

佐藤様
環境DPFには2023年3月から参加させていただいています。当時はTCFDへの情報開示や、お客様からの再生可能エネルギー導入の要請、環境関連規制の強化など、企業に求められる環境対応が急速に広がっていた時期でした。一方で、やるべきことが増える中、社内のリソースや参考にできる情報が十分に追いついていない状況でした。

特に悩んでいたのは、他社がどのように対応しているのかを知る機会がほとんどなかったことです。個別に企業へ話を聞くにも限界があり、「自分たちだけが悩んでいるのではないか」という不安や、「この進め方で本当に合っているのだろうか」という迷いを抱えながら取り組んでいました。

そうした中で環境DPFをご紹介いただき、環境戦略やカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーなど、自社の課題に直結するワーキンググループが用意されていること、さらに同じ課題を抱える企業同士がオンラインで意見交換できるというコンセプトに魅力を感じ、参加を決めました。

ーーー環境DPFはどのような点が御社の課題解決に役立ちましたか?

佐藤様
現在は、気候変動や情報開示への対応を中心に環境DPFを活用しています。
例えば、CO₂排出量削減に向けた取り組みでは、ワーキンググループで他社の省エネ施策や再生可能エネルギーの導入事例の収集、PPAのメリット・デメリットの比較などの情報が自社での施策検討に役立っています。また、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準に準拠した情報開示や第三者保証への対応、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)情報開示についても、先行企業の事例や環境DPFで共有される情報を参考にしながら、対応方針や開示内容の検討を進めています。


樋口様
直近では、役員報酬へESG指標を組み込む制度設計において、環境DPFで得た情報が大変参考になりました。
当社では2026年7月から、温室効果ガス排出量削減目標の達成状況を役員報酬へ反映する仕組みを導入しました。しかし制度を設計する段階では、「どのような評価指標を設定すべきか」「どの程度報酬へ反映させるべきか」といった判断に迷う場面も多くありました。
その際、環境DPFのワーキンググループで共有された他社事例や評価設計の考え方を参考にしたことで、自社の取り組みの方向性を整理できたとともに、参加を通じた他社とのベンチマーキングにより、その方向性が正しい軌道にあることを再確認することができました。

ーーー環境DPFで得た気づきは、社内の考え方や取り組み姿勢にどのような影響を与えましたか?

栗原様
環境DPFへ参加したことで、自社の現在地を客観的に把握できるようになったことは大きな変化でした。他社の取り組みや進捗状況を知ることで、自社が次に取り組むべき課題や優先順位が明確になり、当社で策定しているCO₂削減アクションプログラムの見直しの際にも参考になりました。
一方で、第三者保証の取得など他社の取り組みを知ることで、自社としても進めなければならない課題であることを改めて認識する機会にもなりました。加えて、環境DPFでは同じ立場の担当者と課題を共有することで、新規課題の推進に役立っています。

栗原様

佐藤様
環境課題への対応は年々高度化しており、限られたリソースの中で優先順位を判断することが重要になっています。その点、環境DPFでは他社がどのようなテーマに取り組み、どのような考え方で進めているのかを知ることができるため、自社としても方向性を整理しやすくなりました。
また、新しい施策を検討する際も、「他社でも取り組んでいる」という事例があることで、社内への説明や合意形成を進めやすくなったと感じています。


樋口様
例えばTNFDへの対応は、その代表的な例です。当社では開示が必須というわけではありませんが、「どこまで取り組めばよいのか」という判断が難しいテーマでした。
環境DPFを通じて、同じようにTNFDへの対応を進める企業がまだ模索しながら取り組んでいることや、各社の考え方や進め方を知ることができました。そのおかげで、自社としても他社事例を参考にしながら、自社に合った取り組みの方向性を考えやすくなりました。
環境という共通のテーマに取り組む企業が集まる環境DPFだからこそ、実務レベルの情報を率直に共有できることは、施策を進める上で大きな助けになっています。

2.実務担当者同士の情報交換が、施策の実現を後押し

ーーー実務担当者同士の交流だからこそ得られたことはありますか?

佐藤様
一般的な環境分野のセミナーでは制度の解説や公開情報を得ることはできますが、「どのような課題があり、どのようなプロセスで進めたのか」といった実務の部分までは分からないことが多くあります。
その点、環境DPFでは担当者同士が率直に意見交換できるため、実際の運用方法や苦労した点まで聞くことができます。公開資料だけでは得られない情報だからこそ、自社で施策を検討する際にも非常に参考になります。

佐藤様

樋口様
例えば、CSRD(EU企業サステナビリティ報告指令)への対応を検討していた際に、他社の担当者の方に直接お話を伺ったところ、「ここまでは自社で対応し、それ以降はコンサルティング会社の支援を受けている」とか「ちょっとこの辺がわからないんですよ」といった本音の話まで聞くことができ、自社だけが悩んでいるわけではないと実感できました。

今後も新たな規制への対応が求められる中で、環境DPFで得られる他社のリアルな知見や情報は、取り組みを進める上で大きな支えになると感じています。

3.環境DPFに対するご期待や、今後取り上げてほしいテーマがあれば教えてください

佐藤様
今後も、小規模ディスカッションのように、一つのテーマに絞って実務担当者同士が意見交換できる場をさらに充実させていただけると嬉しいです。
知見を持つ企業や専門家がリードしながら議論を進める形式は、制度の背景や今後のスケジュールも含めて理解しやすく、実務への落とし込みを考える上で非常に参考になります。また、アンケート結果とディスカッションを組み合わせることで、より多くの企業の実態を把握できるようになれば、社内での検討材料としてさらに活用しやすくなると感じています。


樋口様
最近では、PPWR(EU包装・包装廃棄物規則)をはじめとするEU環境規制のように、サステナビリティ部門だけでなく、設計や製品、化学物質管理などを担当している複数の部門が関わるテーマが増えてきています。一方で、こうしたテーマは「どの部門が中心となって進めるべきか」が明確でないケースも少なくありません。
だからこそ、各社がどのような体制で対応しているのか、どの部門を巻き込みながら進めているのかといった実務的な情報を共有できる機会があると、大変参考になると思います。
また、インターナルカーボンプライシングのように、多くの企業が検討しているテーマについても、制度設計や運用方法まで踏み込んだ情報交換ができれば、より実践的な学びにつながることを期待しています。

4.これから利用を検討される企業様に向けたメッセージ

佐藤様
環境分野では、多くの企業が限られたリソースの中で、さまざまな課題への対応を求められています。そうした中で環境DPFは、情報収集を効率化できるだけでなく、同じ立場の実務担当者とつながり、悩みや課題を共有できる貴重なコミュニティだと感じています。
「何から取り組めばよいか分からない」「他社はどのように進めているのか知りたい」と感じている企業にとっては、自社の課題を整理し、取り組みの優先順位を考えるきっかけになると思います。環境課題への対応をさらに前へ進めたい企業には、ぜひ活用していただきたいです。


樋口様
環境課題は年々テーマが広がり、担当部門だけでは判断が難しいケースも増えてきています。そうした中で、他社がどのように考え、どのような体制で取り組んでいるのかを知ることは、自社の取り組みを進める上で大きな参考になります。
環境DPFでは、公開情報だけでは分からない実務の進め方や試行錯誤まで共有できるため、多くの気づきや学びを得ることができました。こうした企業同士のつながりが広がることで、環境分野全体の取り組みもさらに前進していくのではないかと期待しています。

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編集後記

今回のインタビューを通じて印象的だったのは、環境DPFが単なる情報収集の場ではなく、「実務担当者同士が本音で相談できるコミュニティ」として機能している点です。
環境課題への対応は年々複雑化し、新たな制度や規制への対応も次々と求められています。そのような中で、他社の取り組み状況や検討プロセス、実務上の悩みまで共有できることは、公開情報だけでは得られない大きな価値といえるでしょう。
また、他社事例を参考にすることで自社の現在地や課題の優先順位を客観的に把握でき、社内での意思決定や施策の推進にもつながっていることが伝わってきました。環境DPFは、企業同士が学び合いながら環境課題の解決を進める実践的な場として、今後ますます重要な役割を担っていくのではないでしょうか。

お客様プロフィール

1949年の創業以来、OEM/ODMを中心に事業を展開する世界有数の音響メーカー。
スピーカーを主力に「サウンド・スペシャリスト」として音の世界に多くの技術と製品を供給しています。

【本社所在地】〒196-8550 東京都昭島市つつじが丘1-1-109
【代表者】代表取締役社長 CEO 岸 和宏
【創業】1949年6月
【事業内容】
・車載用スピーカー・スピーカーシステム等の製造・販売
・ヘッドホン/ヘッドセット、イヤホン用ドライバー及び振動アクチュエーター等の製造・販売
・接近通報音用スピーカー、車両緊急通報システム用スピーカー、「フォステクス」ブランド製品の製造・販売等
【URL】https://www.foster.co.jp/

環境デジタルプラットフォームについて

つながりを力に、環境経営課題に挑む
他社とこれまでの実践から学び、自社の未来を創る

環境経営課題に立ち向かう道のりは、暗い森の中を彷徨い歩くことに似ています。
独りでは困難な道のりですが、他社の知見や経験を道しるべとす
ると、進むべき道が見えてきます。

ここは環境活動に取り組む企業が集い、濃く生々しいリアルな事例や意見が交流できる場。
ここで得られるインサイトこそが、自社の次の一手を見つけるカギとなります。